今回は、私の周りで実際にあった高額塾被害者の詐欺の様な実体験です。
さらに、クーリングオフが適応され返金可能な場合についても解説していきます。
高額塾で実際に被害に遭い騙された実体験
私の知り合いのAさんは、28歳の公務員でした。
公務員とはいえ、給料はそんなにありませんでした。
最近では、公務員であっても、生活の安定があまりないそうです。
ボーナスのカットなどもあったそうで、貯金をするほどの給料はありません。
最近結婚したのですが、その結婚資金も、両家の親に工面してもらってやっとできたとのこと。
そんな状態ですので、少しでも収入を増やすために副業を探し始めます。
公務員の副業が禁じられていることは知っていましたが、奥さんの名義でする予定だったそうで、そのあたりは心配していませんでした。
そして、色々セミナーや交流会に行ったのですが、中々自分でもできそうなものが見つかりません。
というのも、大学を出てからAさんはずっと公務員。
結婚して初めてお金に関して、不安を持つようになったと言っています。
奥さんには専業主婦をしてもらいたいという思いや、今後子供が出来た時のことを想像して、
今の給料では厳しいと思ったのです。
ですので、最近までは副業を探したことも、経験したこともありません。
なので、何から手を付けてよいかも分からなかったとのこと。
とある塾への入塾

そんな時に、ある交流会の主催者の人から勧誘を受けました。
「私の塾は、稼げるだけじゃなく、稼ぐために必要なマインド(考え方)を教えている。そして、その結果今いる塾生の全員が稼いでいます。」
そう言って、実際にその中の一人にも会わせてもらったそうです。
会わせてもらった方は、お世辞にも仕事ができるような雰囲気もなく、能力もそんなに高そうではありませんでした。
社交性もなく、副業未経験のAさんから見ても、成功しそうには見えません。
そんな塾生を見ていると、自分にもできそうだと感じます。
そして、脱サラして起業なども考えていなかったので「目標は月に5万円お小遣いが出来れば良い」それくらいの考えで入塾するつもりでした。
ですが、その塾の金額は年間で100万円でした。
月に5万円稼ごうと思っているのに、年間で100万円払えば完全に赤字。
しかし、現在すでに入塾している人の多くが月に15万円以上稼いでいると言っており、もしも塾費用分を稼ぐことが出来なかったら、稼ぎきるまでは永続的にサポートするという契約でしたので、入塾を決意しました。
その当時Aさんには貯金がなく、消費者金融からお金を借りての入塾になりました。
入塾1年後にノウハウが・・・塾長の正体は素人だった

それから1年くらいが経ちました。
その結果Aさんが1年間で稼いだ額は、なんと20万円・・・
1カ月での利益ではありません。
この1年間で稼いだ額です。
なぜかというと、その塾では稼ぐためのツールとして、メルカリを使用していました。
そして、一時期メルカリが色々と問題になり、ニュースにもなっています。
現金を販売したり、悪質な販売業者が多数いたり。
違法行為にまでは至っていないですが、その悪質性からメルカリ側も対策を取り始めました。
その煽りを受けて、Aさんが入った塾でも、メルカリのノウハウが使えなくなってきました。
そこからが問題なのですが、実はその高額塾の塾長は物販に関しては素人だったことが発覚。
塾長はお金を払ってそのノウハウを購入し、それを塾生にばらまいていただけでした。
ノウハウが使えなくなった途端に、塾生全員が稼げなくなりました。
その結果Aさんは、1年経っても塾代を稼ぎきることが出来ず・・・
結局、借金だけを背負って塾を辞める結果になりました。
「今すぐ始めないといけない」は要注意

Aさんの話を聞いていると、今の副業ブームに乗って、こういった詐欺の様な高額塾が沢山出てきていると感じます。
特に危ないのは「今すぐ始めないといけない」という事を、異様にアピールする人です。
もちろん、どれだけ良い塾であっても、サポート人数には限界もありますし、早めに始めることにはメリットも多いです。
しかし、その塾に経験も実績もない場合には、騙されないようにしてください。
是非あなたは、教えてくれる人が本当にその業界や副業に詳しいのか、実績を持っているのかを
確認してから入塾してくださいね。
クーリングオフで高額塾の返金が可能な場合

さて、こうした詐欺まがいの高額塾での、返金は可能なのでしょうか?
結論を言えば、可能な場合もありますが、泣き寝入りするしかない場合もあります。
こうした返金を要求する場合は「クーリングオフ制度」が有効です。
クーリングオフで返金が可能な場合の一例
Aさんは、投資に興味を持ってますが、何もわからない初心者です。
たまたま、ネット広告で見た無料の初心者向け投資セミナーに興味を持ちました。
そのセミナーでは、初心者向けに投資の基本を教えてくれるというものです。
詳細には「何かを売りつけたり、勧誘したり」するような文面が無かったので、無料ということもあり、信用して行ってみることにしました。
実際にセミナー会場(セミナー運営会社とは関係ない会場)に行ってみると、無料で投資の基本的な内容を学ぶことができました。
しかし、セミナーが終了する時間になるにつれて、「初心者が早く成功するには塾に入ったほうがいい。実際に稼いでいる人がたくさんいる」などと、塾の勧誘が始まりました。
会場に来ていた人たちに塾参加の契約書が渡されていきます。
そして「今入塾すれば特典がある」「参加費が安くなる」などという執拗な塾の勧誘が続き、契約をする人がではじめました。
初心者でそういった経験が無かったAさんは、その会場の雰囲気と周りの人の影響から、内容もあまり分からないまま契約書にサインをし、クレジットカードの分割にて費用の一部を支払ってしまいました。
翌日、冷静によく考えて、契約を解除したいという思いから、クーリングオフ制度の利用を考えました。
Aさんのケースでクーリングオフ可能だと判断できるポイント
今回のポイントは「訪問販売」に該当するかどうかです。
訪問販売は、飛び込みで自宅に来て、商品を買ってもらう販売手法(もちろんすべての訪問販売が強引なわけではありません)です。
Aさんの例の場合を見てみると、2つのポイントがあります。
2.実際にセミナー会場(セミナー運営会社とは関係ない会場)
この内容を解説すると
2では、セミナー運営会社以外の関係のない会場で塾(商品)の勧誘が行われていたのであれば、自社ではない(店舗ではない)ことが、訪問販売に当たる可能性あり。
これらの2つの理由から、今回の例では訪問販売に当たると主張できるので、契約後8日間の間であれば、クーリングオフを主張できます。
※今回の例はあくまで一例です。実際には消費生活センターや専門家に、すぐに相談することをオススメします。
クーリングオフで返金ができない場合

基本的には、自分で考えて自分の意志で購入した物などは対象外です。
例えば、以下の場合はクーリングオフができません。
そもそも、クーリングオフという言葉には「cooling off(頭を冷やす・冷却期間)」という意味合いがあります。
ですから、よく考える時間があり、自らの意思で商品やサービスを購入している場合は、クーリングオフは適用されません。
つまり、高額塾でよくあるネット広告や知り合いの紹介などにより、自らの意思でセールスページに飛んで、塾費用を支払うことに申し込みした場合は、クーリングオフは適用されない可能性が高いです。
基本的には、こうした高額塾の「特定商取引に関する表示(特商法)」の部分には、だいたい下記のような文面がテンプレ的に記載されています。
「再現性には個人差があり、必ずしも利益や効果を保証するものではありません」
ただ、塾の主催者や宣伝を手伝っている人が、違法なやり方で宣伝をしていた場合は、適応される可能性があります。
クーリングオフに関する、より詳細な内容を知りたい場合は「クーリングオフ制度の概要」を御覧ください。
まとめ

現代では、ネットリテラシーが求められる時代になりました。
ネットリテラシーとは「インターネットを利用する中で、得た情報を正しく理解し、取捨選択し、利用できるか?」という意味合いの言葉です。
高額塾も様々なものがあり、その中には今回の実例のように詐欺的な塾も存在しますが、本当に素晴らしい塾も存在します。
本物の塾を見抜くには、以下のポイントを意識して見極めてみましょう。
・その塾で実際に結果を残している人がいるか?
・問い合わせに対する返信が早いか?
・ネット上での口コミで「塾名+詐欺」「主催者名+詐欺」などのワードで検索したときに、悪い口コミが書かれていないか?
・「すぐに100万円稼げる」「何もしないで簡単に稼げる」など、誇大広告を全面に出していないか?
・特定商取引法に関する表示を、しっかりと明記しているか?
一概にこれだけではありませんが、選ぶ際の基準にはなると思いますので、高額塾に入る際には一度確かめてみて、後悔のないようにしてください。